大分合同新聞 法律あれこれ「公証人が作る公正証書」清源万里子弁護士/記事PDF

→記事PDF Q 友人から金を貸してくれと頼まれました。公正証書を作成した方が良いと聞きましたが、公正証書について教えてください。
A 契約の成立や一定の事実について、公証人役場の公証人が作成する書面を公正証書と言います。法務大臣が任命する公的な権威のある公証人が作成するので、後日、公正証書の記載事項を争うことは難しく、原本が公証人役場に保管されているので改ざんや紛失の心配がありません。 判決や和解調書と同様に金銭を支払わない人に対しては、裁判を起こさなくても公正証書でいきなり強制執行ができ、時間と経費が節約できて大変便利です。公正証書が執行力を持つためには(1)金銭の一定の額の支払いなどの文言(2)不履行のときは、直ちに強制執行に服する旨の強制執行認諾文言ーが記載される必要があります。 建物の明け渡しなどは公正証書によっても強制執行はできませんが、公証人が作成した公正証書は、一般の証書に比べて信用性が高く、紛争回避の効果があることは言うまでもありません。事業用定期借地権のように、公正証書にしないと効力が認められない契約もあります。(借地借家法23条3項) 詳しくは公証人役場にお問い合わせください。 (弁護士 清源万里子)   令和元年9月12日 大分合同新聞朝刊掲載

信用性高く紛争回避に